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建物語

アウトプットの練習

堀田純司『僕とツンデレとハイデガー』を読んだ

奥山先生や坂本先生のお話を聴いたり、読んだりしていて、ハイデガーバシュラールの哲学に少し興味を持っていた。また最近、クリスチャン・ノルベルグ=シュルツ『実存・空間・建築』を読んで、実存主義哲学に興味を持った。シュルツは幾人かの哲学者を挙げていたが、特にハイデガーについては「基礎的かつ先駆的業績であって、とくに重要である。」と述べている。

そんなところに、生協で本をざっと眺めていたら、この本が目に入った。今まで哲学の入門 には失敗してきたが、いかにもライトそうなタイトルにつられて購入した。以下感想。

物語構造としてのライトノベル

本書のタイトルは非常にライトノベル的だ。最初は哲学をネタにしたライトノベルかと思ったが、読んでみるとライトノベルを物語の構造とした哲学入門書だった。ライトノベルとしては設定は非常にテンプレで目新しいことはない。物語の舞台は異世界の学校で、そこで主人公は、哲学者の顕現である美少女たちに会い、順番に教えを受けていく。

しかし、そのテンプレがそれぞれの哲学者を差別化し、非常にわかりやすい。それぞれの哲学の内容とキャラクター性が結びついて記憶に残る。デカルトツンデレでフェンシングやってて、パンツ見ちゃった娘ね、みたいな感じで。危ない。

 

そして、構成も明快だ。本書で主に取り上げられる哲学者はデカルトスピノザ、バークリ、ヒューム、カント、ヘーゲルニーチェハイデガーの8人だ。各章では基本的に、1人の哲学者が取り上げられる(3章では、バークリとヒュームが同時に取り上げられる)。そして前章の内容を踏まえながら徐々に話が展開していく。つまりは「近代哲学の父」であるデカルトからハイデガーに向かう物語になっている。章末には謎の少女、三重野由真が現れて、その章のまとめと次章の予告をしていく。とにかく丁寧だ。

 

それぞれの内容については、これから原著を読んでいけば適切かどうかわかるのだろう。とりあえずハイデガーまでの哲学の流れをおおまかに押さえられたので満足だ。強いて言えば巻末に引用文献だけでなくブックリストなんかが付いてると嬉しかったかな。

 

カントが一番好みだった。

 

 

実存・空間・建築 (SD選書 78)

実存・空間・建築 (SD選書 78)